シャトー・ル・コーヌ
ジロンド河をはさんでサン・ジュリアンの対岸に位置するブライ地区。シャトー・ル・コーヌはこの地で17世紀から続く、ブライ随一の歴史的シャトーです。かつてはブライ市長であるサイモン伯爵が所有していたという記録が残っています。
ル・コーヌはブライのワイナリーの中でも特に歴史的に有名なシャトーです。その最大の理由は、彼らが造るフラッグシップ・ワインである「ル・ロワイヤル・ド・ブライ(弊社未取扱)」のキャップシールに隠されています。
そのキャップシールには、なんとルイ14世の王家の紋章が刻まれているのです。
なぜ、ルイ14世の王家の紋章をワインのキャップ・シールに使うことができるのか?その秘密は、ル・コーヌの歴史を紐解くことで判ります。
ブライには、「ヴォーバンの星形要塞」と呼ばれる、かつて街をぐるりと取り囲んでいた城壁があります。現在は世界遺産にも認定されており、ボルドーの観光スポットの一つです。現在、ブライの町並みは城壁の外に広がっており、城壁の内側には観光客向けのレストランやお土産物屋、公園などが広がっています。この要塞は石灰岩でできており、ルイ14世に仕えた要塞建築の名手ヴォーバンによって築かれました。彼はルイ14世の命を受け、フランス中に14もの要塞を築いたのですが、ブライに残る星形要塞もその一つです。
ルイ14世がブライに城壁を築く時、ル・コーヌの所有者であるサイモン伯爵はルイ14世に、「シャトー・ル・コーヌの区画にある石灰岩を使っても良い」と申し出ました。それを機にルイ14世は、自らの王家の紋章の使用許可を与えたといいます。
実はルイ14世は、シャトー・ル・コーヌの重要顧客の一人でした。さらに先代の13世もこのシャトーを訪れていたといいます。まさに『王家御用達シャトー』という輝かしい歴史を持ったシャトーなのです。